「親が片付けてくれない」友人からのリアルな相談
こんにちは、Rinです。
最近、ある友人からこんな相談を受けました。
「実家に帰るたび、ため息が出るの。使ってない鍋や布団が山のようにあって、歩く場所もギリギリ…。でも何か言うと、すごく嫌がられてしまって」
その友人は、70代のご両親と離れて暮らしていて、
帰省のたびに“実家の片付け問題”と向き合っているそうです。
彼女の気持ち、よくわかります。
私自身は親がすでにいませんが、ケアマネジャーという立場で、同じような悩みを抱える方を何人も見てきました。
なぜ親世代は、片付けられないのか?
多くの方が「使ってない物ばかりなのに、なぜ手放さないの?」と疑問に思います。
でも、親世代の背景を少し想像してみてください。
戦後の物がない時代を生き、「もったいない」を美徳として育てられた方々にとって、「使える物を捨てる」こと自体が、かなりの抵抗感を伴うものなんです。
それは、ただの習慣ではなく、生き抜いてきた誇りでもあるんですよね。
「片付けてよ!」が届かない理由
友人の話では、最初のうちは優しく伝えていたそうです。
でも何度言っても動いてくれない親に、ついイライラしてしまい、語気が強くなる。
すると今度は「命令しないで!」と拒絶されたり、最悪の場合、親子関係そのものがギクシャクしてしまうこともあります。
実はこれ、ケアマネの現場でも非常によくあるケースなんです。
本人にとっては「生活の形」であって、急に変えられることに大きなストレスを感じる。
こちらの「安全のため」という思いが、相手には「コントロールされている」と受け取られてしまう。
片付けできない親の“デメリット”はたしかにある
- 足元にモノが多く、転倒リスクが高い
- ホコリ・カビなど、健康被害につながる場合も
- 災害時、避難が難しくなる
- 「もしものとき」残された家族が苦労する
こういったリスクを考えると、「なんとかしなきゃ」と思うのも当然です。
でも、メリット…というか、“大切な理由”もある
① 思い出と一緒に暮らしている
モノを通じて、過去の自分や大切な人とのつながりを感じている。
たとえば、古いエプロンや子供の作品も、「これを見ると元気が出るの」と笑顔で話す方もいます。
② 自分のペースを守れる安心感
長年の暮らしのルーティンを変えることは、高齢者にとって“心の安定”を崩すことにもつながります。
③ 「まだできる自分」でいたい
「片付け=誰かに頼らないといけないこと」と感じる方も多く、手放すこと=老いを受け入れること、と感じている場合も。
ケアマネとして意識している“伝え方”
片付けを促すとき、私は「捨てましょう」より「使いやすくしましょう」と伝えます。
たとえば、よく使う物だけを手元に移動し、残りは「一時保管」として別の箱へ。
「全部捨てる」ではなく、「保留」や「整理」という表現の方が受け入れてもらいやすいんです。
そして、「一緒にやること」が何より大切。
娘さん・息子さんが「手伝うよ」と声をかけて、少しずつ“片付けモード”に入ってもらう。
大事なのはスピードより、安心感です。
まとめ:片付けも人間関係も、焦らずゆっくり
友人の実家も、ほんの少しずつですが、整ってきているそうです。
「捨てて!」じゃなく、「ここを使いやすくしようか?」と提案することで、お母さんも少しずつ気持ちを切り替えられるようになったとか。
片付けは“家”の問題だけど、実は“家族の気持ち”の問題でもあるんですよね。
親が片付けできないときこそ、こちらが「ゆっくりでいいよ」と言える存在でありたいなと思います。
完璧じゃなくていい。
少しずつ、暮らしやすさと安心を育てていければ、それで十分ですよね。
それでは~また。

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